まい ひーろー 【短】



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「…疲れた…。」


毎日毎日、学校と塾の繰り返し…。
楽しいことなんてとくにない。
たまに、自分がなにをしてるのかさえ分からなくなって、
足下がぐにゃぐにゃに曲がって見える。

あたしの進むべき先がどこにあるのか、
今ではすっかり分からなくなってしまっていた。




先生も親も

『がんばれ!』


って、口裏を合わせたみたいにそればっかり。

もううんざり。

まるで、あたしの頑張りが足りてないみたいに言う。



高校に通うのはあたしなのに、なんであの人たちの進める高校を目指さなきゃいけないんだろ。


特に母は、あたしに理想をおしつける。


昔はそれも愛されてるって気がして嬉しかったけど、今は…苦痛でしかない。



…まぁ、はっきり言えないあたしも悪いんだけどね…。



最終的に自己嫌悪で終わる思考に、
はぁ、と漏れた溜め息は、電車内のアナウンスにあっさりと掻き消された。




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