砂漠の月歌 〜dream story〜




……一方、森から出たタキシード姿の青年は溜め息をついた。



「はぁ…。此処にもないのか、豆腐屋は…」


そう、つい先程娘と擦れ違った青年は王子だった。

どうやらあれからまた言い付けを破って宮殿を抜け出したらしい。


「流石に森の中はないか…。」


そしてまたしても豆腐屋を探していたようだ。



「舞踏会までまだ時間があるな…。
夕方頃には戻れば良い、か…他を探そう…」


多少時間を気にしながらも、王子は街の路地に入っていった。

それ以前に、まだ探す気なのだろうか。




━━現在の時刻、午後2:00…。
< 15 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop