砂漠の月歌 〜dream story〜




意外な反応に、王子は一瞬固まってしまった。



「普段は宮殿の中で何をしているの?
執事さんとどんな会話をしているの?
メイドさん達は可愛い?
姐御さんはやっぱり怒ると恐い?」


王子の方を向き、膝に頬をくっつけながら続けて言う。



「もっと聞かせて…?
私は貴方の事が知りたいんだ…。」


そう言って娘は優しく微笑むと、不覚にも王子は赤面してしまった。



「は…?///」


次第に赤くなっていく顔を隠すように、視線を湖に移しながら口を開く。



「べ!!別に、大した事はないんだ、本当に…
普段は無断で宮殿から出たり、
宮殿にいる時は自分の部屋の窓から
街を眺めたりしていて…」



「そっか。それじゃあ…
一度なら王子の目に入ってたかもね、私」


その何でもない言葉が、今の王子の胸の鼓動を大きくする。



「そ、そうだなっ…」


一方で、有り得ない程ドキドキしている自分に言い聞かせる。



(何を緊張しているんだ俺は…)
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