遅い初恋〜先輩に恋をして〜
『プレイ!!』


主審が声を張り上げた。
試合がはじまった。


相手は、県内でも
有数の強豪校であった。


勝てるか、勝てないか
微妙なところだった。


でも、海斗先輩なら
絶対勝ってくれる。


だって昨日、
約束してくれた。


『絶対、勝つから!!』


信じる。海斗先輩を
信じるんだ。


でも、やっぱり
相手は強豪校。
なかなか点数が
はいらない。


加藤先輩の、ピッチング
は最高のものだった。


そのボールを必死に
うける海斗先輩。
キャッチャーの
格好だったから
先輩のこと、よくは
見れないや…。


でも、
見えなくても
やっぱり海斗先輩は
この球場で
一番かっこいい。


先輩が投げたボールで
盗塁を防ぐ。


先輩の打ったボールが
相手の頭の上を飛ぶ。


大好きな先輩が
頑張る姿は、まだ
何もない私にとって
眩しすぎた…。


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