†Devil Kiss†

愛って?

何か、思い詰めているような顔をしてた。



あたしに、何か出来ることはないかな・・・?



扉の向こうで、ユハが自分のことで頭を悩ませているとは、夢にも思っていないローズ。



そしてようやく決心したのか、深呼吸してから、ローズはドアをゆっくり開けた。





「・・・・・・ユハさん?」


「・・・・・・あ、君か。・・・何か用?」


ユハはベッドに座り、窓の外の月を見ていた。



こっちの世界からはこんなふうに見えんだな。



「あの、何か悩んでるようだったので。力になれないかと・・・」


「え?」


「や、あの、勘違いであれば・・・その」



慌てるローズを見てユハは不思議に思った。



どうして、俺が悩んでるってわかるんだ?


言ってないのに?



「ユハさん?」



トクン────



「そ、そういえばさ。何で俺の名前・・・知ってんの?」


「あ、それは母から聞きました」


「あ、そ・・・・・」



名前を呼ばれるたびに感じる優しい鼓動は何なんだ?


自分が悩んでいる話題から離れようと思って話をそらしたのに、会話はすぐに終わってしまう。




あ〜・・・何を話していいか全くわからない。




ユハもだったが、ローズも何を話していいのかわからず、オロオロしているようだった。



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