†Devil Kiss†

疑問

*    *    *


魔術が解け、時間が動きだした。




その頃、ローズはマリーとともに、村に行き、村の人達と共にベルモンドの行方を探していた。



願っていたこととは言え、実際に起こると、素直には喜べない。



むしろ不気味なくらいだ。



昨日、ユハに言った途端これだ。




ただの偶然・・・・・・?



ユハが言っていた言葉も気になる。



でも・・・そんなわけがあるはずがない。



昨日は一日中、一緒にいたのだから・・・




あ、でも・・・夜は



ローズは初めて会ったときのことを思い出した。



あの時も、夜突然現れて・・・



でも、まさか・・・




ローズはいらぬ疑問を消し去るように、首を振った。



あの人は、そんなことをする人じゃない。



あたしの命を助けてくれた人よ!疑うなんて筋違いだわ。



そう思い直した。




「あ〜・・・一体、どこに行ったんだろうねぇ?」



マリーは独り言を呟きながら、名前を叫んでいる。



本当に・・・いなくなっても人に迷惑をかける人なのね。




ローズは呆れてため息をこぼした。



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