†Devil Kiss†
───────────・・・・・


ゴロゴロ・・・・・・



マリーの部屋で、マリー、ローズ、エリックは三人で一緒に寝ていた。



だが、みんなが寝静まった後もローズは一人、考え事をしていた。



ユハのことだ。



エリックに好きかと質問をされて、ハッキリは否定できない自分がいた。



やっぱり・・・好き・・・なの?



自分でもわからない。



ううん。もしかしたら、わかりたくないのかもしれない・・・



ローズは一度、失恋を経験している。



好きだった相手が他の女性と結婚してしまったのだ。



初めての恋だったこともあり、とてもショックを受けた。



もちろん、彼とは少し話すだけの関係だったから、結婚したとしても文句を言える立場ではない。



本当にただの片思いだった。



だから、ローズはまた上手くいかないんじゃないかと思ってしまうのだ。



好きと認めてしまえば、また悲しむことになる。



もう、あんな辛い思いはしたくない・・・



それが、ローズの思いだった。



だが、現実は虚しく、考えれば考えるほどユハを気にしてしまう。




ローズは寝返りを打った。



カーテンの隙間から雨が降っているのが見える。




ゴロゴロ・・・・・・・・



雷・・・ユハ、大丈夫かな?



昼間のことを思い出して、ローズは心配になり、そっと寝室を抜け出した。



< 64 / 149 >

この作品をシェア

pagetop