最愛の人


あたしが泣いたのはこの日だけ。



パパとママが死んだときは毎日泣き続けたのに。
おかしいね。
涙が出ないんだー。



泣いてるとおばあちゃんが悲しむのがわかってるから?

泣いちゃいけないって思ってるから?

あたしが成長したから?


ううん。泣いてる暇がないんだ。
悲しみに浸る時間が今のあたしにはない…




おばあちゃんが亡くなったことで『手続き』があるからっていろいろなところから電話がかかってくる。





全てが初めての経験でどうしたらいいのかさっぱりわからない。


何回も説明してもらうんだけど…あたしにはうまく理解できない。




『力になるから何でも言ってね』って言ってた周りの人は誰一人手を貸してくれなくて



わかってたんだ。
自分の体裁のために言ってるってことは。


わかってるけど、それに縋るしかないって思った。
でも、誰もあたしの声を聞いてくれる人がいなくて…



実感した。
あー、あたし本当に1人ぼっちなんだって。




誰もあたしの傍にいてくれない。

誰もあたしを助けてくれない。

誰もあたしを守ってくれない。



1人ぼっちは


寂しすぎるよー…
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