原色ヤンキーにメガネ
「え?横田さんって、高校から入ってきたの?」

「うん。ヨッと──」

明美はハンドルを右にきりガッタンと段差を昇ると、大きな公園に入って行く。

「……陸上部、ないもんねぇ、うちの学校」

「ん……高校から他の部活って入っても、皆中学からやってるし。なんか入りづらくて……。何もしないで三年間終わっちゃった。ちょっと寂しい三年間だった……」

明美の小さな呟きは風に乗り青々とした木々の中へ溶けていった。

「私も……寂しい六年間だったよ」

「……ああ、相澤さんは、中等部からだもんね」
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