原色ヤンキーにメガネ
『今日もまた ほだされてます ヤンキーが』

良子が心の一句を詠んだ時、テレさんがカウンターから出てきて、

「コレ、アゲルヨ~。バカムスコ、ベンキョ、アリガトネノ、オレイダヨ。ボーイフレンドト、アソビイケヨ~」

とチケットを差し出した。

『イケヨ~』と悪気のない命令口調のお礼に苦笑して良子はありがたくチケットを貰った。

「バカムスコって何だよ。『コバヤシ』のくせによぉ」

「……まぁまぁ」

(目くそ鼻くそだろ)

やっと現世に戻ってきた玉置がボソッと文句を言うのを適当になだめて、良子は手の上の二枚の紙を見る。

(げげッ)

良子の反応を見て玉置が興味津々で覗き込む。

「なんのチケットだ?」

「……サンビーチ・プール」

「お?プール?いいじゃん?いいじゃーん!!」

盛り上がる玉置を憂鬱な顔で良子が見つめる。

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