きみとベッドで【完結】




途中で酒を買って、部屋に帰った。


シキはすぐに窓を開け放して、空を見上げる。



「ほら、やっぱりここなら見える」


「住宅街だからな」



適当に返しながらネクタイを外し、キッチンに立つ。


ワインを開けて、グラスに注ぎ、


つまみも準備して、小さなフロアライト1つにだけ明かりをつけた。



「ほら、シキ」


「ん。ありがとう」


「今日の演奏、よかったよ。ゾクゾクした」


「へぇ? 感じちゃった?」


「すごくな」



シキはくすくす笑う。


冗談に聞こえたのかもしれないが、本当だった。


しびれた、と表現するのが正しいのか。



撃ち抜かれた。



それは見事に。

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