きみとベッドで【完結】

それだけでは、ないように思えた。



「名取から聞けばいいじゃないか。いとこなんだろう」


「話せないような、関係なんですか?」


「名取が話したくないのなら、俺からも話せないな」


「いやな逃げ方ですね」


「そうか? 普通だろ」



俺は煙草をくわえたまま立ち上がる。



パンはひとくちも食べることができなかった。


仕方ない。


職員室でさっさとすませよう。



そう決めて玄関の方へ足を向けると、


ぐっと浅倉に袖ぐちをつかまれた。




「先生、本当はあの七夕の日……」



七夕の日。


その言葉にぎくりとしたが、体にはその動揺が出ないようつとめた。



浅倉には伝わっていないはずだ。



たぶん。

< 206 / 339 >

この作品をシェア

pagetop