きみとベッドで【完結】
「はー。のど乾いたな」
「うち、なんにもないよ」
「はいはい。わたくしめが買ってまいりますよお姫さま。
ついでに食べるものも買ってくるけど、なにか食べたいものは?」
あたしが首を振ると、
幹生は少し困ったように微笑んだ。
「シキはもっと、欲を持った方がいいね」
そう言ってあたしの頭をなで、
甘い声の男は出ていった。
幹生は時々おかしなことを言う。
あたしという人間ほど、欲深な生き物はないのに。
あたしはもう1度鏡を見た。
くすんだ深い緑の制服を着ると、
ますます自分が浅倉姫衣に見える。
明日からこれを着て学校に行くのか。
先生はどんな反応をするだろう。
姫衣とまた間違えて、驚くだろうか。