きみとベッドで【完結】
俺の授業などちっとも聞いてはいないだろうに、
シキはすらすらと問題を解いた。
さすが、編入試験でほぼ満点をとった名取織羽。
俺がどうこうというよりも、
授業を受ける必要自体ないようだ。
「はい、正解。ちょっと名取には簡単すぎる問題だったか」
「いえ。合ってるか不安でした」
俺の嫌味にも余裕で答えるシキ。
いつもの、俺を振りまわす彼女だ。
けれど……
「名取?」
「はい?」
「……体調が悪いのか? 顔色がよくないな」
俺の言葉にシキは顔を強ばらせた。
彼女からは余裕が消えて、さっと俺から目をそらす。