きみとベッドで【完結】
俺と浅倉が同時に入口のほうに顔を向けると。
そこにいたのは、
一切の感情を顔から消した、シキだった。
その足元には、何かの包みが落ちている。
いつからそこにいたのか。
いまの行為を、見られたのか。
「シ……っ」
焦って彼女の名前を呼ぼうとした時、
彼女は後ろから伸びてきた長い腕に、抱き寄せられた。
廊下から現れたのは、茅島幹生だった。
シキの視界から俺を消すように、
俺からシキを守るかのように、
彼女の猫を思わせる瞳を手で覆い隠す。
学校では穏やかな雰囲気の男子生徒と記憶していたが、
この時の茅島の目は冷ややかだった。
「行こう、シキ」
表情からは想像できないほど優しげな甘い声。
それにシキはうなずいて。
逃げるように、俺の前からいなくなった。