きみとベッドで【完結】


教師の俺が言うのもなんだが、浅倉はいわゆる優等生というやつで、


しかもそれを自覚しながら、鼻にかけたりはしないという、ずいぶん人間ができている15才だ。



俺は2週間ほど前のあの夜、この浅倉と見間違えて、


シキに声をかけた。



「先生も一応顧問ですし」


「一応な」


「ふふ。引率ってことで、行きましょうよ」



生徒らしく無邪気に、けれど気づかいを見せながら誘ってくる浅倉。



似ている。


顔は本当にシキとそっくりだ。



だが雰囲気はまるでちがう。


シキの方が少し背が高いし、髪は少し短い。


体つきもシキの方が大人の女のもので、声も落ち着いている。



ただ……浅倉がもう少し成長したら、


シキのようになるのではないかと、感じたりもする。

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