きみとベッドで【完結】

体が小刻みに震えだした。



「寒いよ、星次さん……」



声まで震えだすと、先生が腕を広げる。



「おいで」



誘われるまま、広い胸にすり寄った。



「おまえの体はすぐ冷えるな。あー、手足ももう冷たい」


「星次さん、あっためて」


「……まだ足りないのか?」



あたしの濡れた髪をなでながら、先生が笑う。


先生だって、足りないくせに。



「足りないよ。全然足りない」



本当は、ずっと繋がっていたいくらい。



夜が明けても


明日が来ても。



そう言ったらあなたはどんな顔をするだろう。


そんな願いがもし叶うなら、



あたしは一生、あなたの飼い猫になるのに。


あなたにもう、嘘をつかずにすむのに。




けどそんなものは、夢のまた夢。


空を飛ぶより、不可能なことに思えた。













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