怖がり少女と吸血鬼
「…あれ?
じゃあ、黒沢くんって普通のご飯食べなくても平気なの?」

あたしはエイルに問いかける。


「まぁ、そうですね…
主食は人間の血液ですので。
最低限柚子さんの血液さえあれば、シュウ様は大丈夫です」


エイルは説明しながら、パタパタとあたしの近くにきた。


「ふうん。
じゃあ、エイルさんは?」


あれ?エイルってなんか可愛いかも。


「わたくしは、食事を取らなくても平気な身体ですので。ご心配なく」


「そっか」


じゃあ、食費の心配はないな。

内心そう思ったが、エイルの前では言わないでおいた。
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