砂に書いたアイラブユー
第8章
    8
 三日後の午後一時に大学のカフェテリアで会えると分かって、僕はまた創作の方に夢中になった。


 キーを叩きながら、ストーリーを練っていく。


 文芸賞、とりわけ新人賞は実に難しい。


 僕はそれを感じながらも、パソコンに向かう。


 確かに今、若年層でも文芸をやりたい人はとても多い。


 いろんな大学で、創作に関しての授業がかなりあるのが実態だし、僕自身そういった場にいる人間たちとメールで連絡を取り合ったりすることがあった。


 学生も普通に就職というのじゃ面白くないらしい。


 それに大学三年生の僕は、今まで二年とちょっと大学の中でも文学部という場所に所属していて、学校の授業が退屈に思えていた。


 単に昔の作家なり、哲学者なりが書いた本を研究するのはよほどの好き物だけだろうと思われたからだ。


 だから、僕はあえて学校と距離を置きつつあった。

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