砂に書いたアイラブユー
第9章
     9
 丸々三日間、僕は原稿を打ちながら、時々散歩に出かけたり、近くのスーパーで買い物をしたりしていた。


 キーの叩き過ぎで、特に右手の方が腱鞘炎(けんしょうえん)になっている。


 奈々は図書館に通いながら、文学に関して勉強し続けているようだった。


 僕が原稿を打っていると、パソコンのメアド宛にメールが来る。


 彼女は図書館の横にある食堂で食事を待つ間に、ケータイからメールを打ってくるのだ。


 僕はいつも簡単に返信していた。


「元気してる?」とか「読書のし過ぎで疲れてない?」とか。


 そして会う予定である日が来て、僕は午前十一時半ぐらいに自宅マンションを出、キャンパスに向かった。


 午後一時が約束の時間なので、僕は余裕を持って行動していた。


 カバンにはつい最近近くの書店で買った文芸雑誌を一冊入れて。


 僕は作家志望とあってか、読書がとても好きだ。

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