砂に書いたアイラブユー
第13章
     13
 僕は五百枚も分量がある超大型のサスペンス小説を書くために、後期の授業にはあまり出なくなった。


 何せ完成しても、推敲するだけで大変なのである。


 僕はひたすら書き続けた。


 夜に昼を徹して。


 粗稿が出来上がると、推敲する作業に入る。


 ちょうど一ヶ月掛かって書き上げた。


 すでにカレンダーは一枚捲れて、十月に入っている。


 そして僕は出席日数の不足で、必修の単位を落としてしまい、留年が決まってしまった。


 ただ、僕自身考えていた。


「この際だから、大学を辞めよう」と。


 フリーになれば何かが見えるはずだ。


 実家からの仕送りが途絶えることも予想され、僕は自分にとって一番都合のいい形で、
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