天使になれなかった。




「……あともう一つ夢があったんだ。この夢は今でも捨ててない。ずっとこの手の中で握ってた」
かすれた息が降る。

「……なに?教えてよ」

あたしがそう言うと彼はもう一度キスをした。

凛羽の舌がまさぐるようにあたしの口内に進入してきたら、あたしの感覚は全部ストップされてしまう。

甘い頭痛に酔う。

凛羽が唇をゆっくりはなした。




「人生で一番幸せな日に人生を終わらせること」







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