無限のつばさ


 蒸している空気、熱した地面は彼の体温を尚一層上げていった。

 白色に茶色い斑が入っているスムースの彼の体は焼け石同様となった…。


 砂漠は残酷だ…永遠と続くように過去、権勢を奮っていた人類も感じたことだろう。


 彼は砂丘の日陰に入り、熱した体を休ませることにした。

 伏せのポーズをとり、辺りをくんくんと嗅ぐと…鼻腔に砂粒が入ってきたのか、くしゃみをした。百万倍以上ともいわれる犬の鼻でも現在の地球上は似たり寄ったりの匂いであろう…。

 前足に舌の収まらぬ顎を乗せると…徐々に彼の目蓋は重くなっていった…。

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