開かない窓
「あ、あのっ・・・・・・!!」

俺は今にもその場を飛び出しかねない彼をすかさず呼びとめた。実は前からどうしても気になる事があったからだ。

「ああ?まだなんかあるのか!?」

うう、怖すぎる。
せっかくの気を削がれた事もあってか、かなり機嫌が悪い。殺意のこもった鋭い眼差しで凄まれてしまった・・・・・・

「話を聞きに行くって・・・・・・今回の二つの事件と十年前の生徒の自殺、何の関係があるんですか??」

「・・・・・・さあな。関係あるかも知れないし、さっぱり関係ないかもしれない。」

「え?」

「10年前の自殺は旧校舎で起きた。そして、お前の友人と涼夜は旧校舎で死んだ。少しでも関連があるなら調べておいた方がすっきりするだろ??少なくとも壬生屋は10年前の事を知っている。ほとんど手がかりがない今、出来るだけの事はしておいた方がいいし、やり過ぎて困る事はない。」

こういう時の彼は妙に説得力がある。いつものようにその場の思いつきだけで言っているわけではなく、ちゃんと考えた上での事だろう。俺は何も言い返すことが出来なかった。


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