開かない窓
「私びっくりしちゃったよ。」
「お、おう」

「……」
「……」
気まずい沈黙が場を支配する。
俺は薄々気づいていた。彼女が本当はこんなことを話したいのではなく、もっと別の話がしたいのだろうと。

多分どう切り出すべきか悩んでいるに違いない。
仕方なく俺は彼女が口を開くまで待つことにした。

それから少しして、悠里は少し躊躇いがちに話し始めた。
「優一君、落ち着いて聞いてね?さっき蓮くんから電話があって…」

やっぱり……聞きたくなかった言葉がまた蘇る。

もう沢山だ。耳を塞ぎたい気持ちでいっぱいだった。もうこの場から逃げ出したいとさえ思っていた。
そう願っていても悠里の言葉は残酷なほど俺の心に突き刺さった。


「今日、学校で…あ、晃君が死んだって…どうしたら…」

俺は、本日3回目の親友の死の報告を聞いた。
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