不器用なLOVER
取敢えず、今はここを切り抜けることを考えよう。

「この場限りの嘘は許さなくてよ
私が気付いていないと思われているなら大間違いよ」

この人私が会長室に通ってること知ってるんだ。

だったら尚更、
引くわけには行かない
私の気持ちもまだはっきりしないのにこのまま会えなくなるなんて

「そんなの絶対嫌」

私の意思表示に顔をしかめ、

「仕方なくてね。後悔されても遅くてよ」

彼女の冷たい微笑みが、
押し倒される瞬間目に焼き付く。

両足を押さえ込むように足を絡め覆い被さり、両腕を頭の上に捻りあげ片手で手首を掴まれる。

「嫌止めて〜」

逃れるために暴れたいのに
しっかり押さえ込まれた手足はびくともしない。

「大人しくしろって。誰も助けに来ねえよ。
どうせ生徒会長さんにヤラレまくってんだろ」

首筋をなぞる指に、
鳥肌が立つ。

首を左右に動かし、体をヨジって抵抗を試みるけど、

「早くしろよ」
「次俺の番」

外野の囃したてに煽られ

ボタンを引き千切られた制服が、ブラウスごと肌け、露になった。

「俺が会長様よりいい思いさせてやるよ」

「嫌」

透き通るように白くキメ細かな肌をなぞり、背中に手が回る。

そして背中の緊張感が外され、

「ヤダ〜止めて〜」

手が胸に戻ろうとした…

< 34 / 315 >

この作品をシェア

pagetop