不器用なLOVER
携帯画面は待受に戻っている。

履歴を確認すると、

宮原透弥 不在
宮原透弥 不在

二件とも不在になっていた。

張り詰めていた緊張の糸が切れ、その場に崩れ落ちた。

「ふっ」

誰も居なくなったその場を動けず

「うっ」

鳴咽の声が漏れる。

流れ落ちる涙を手の甲で擦った、

何で、こんな目に遭わなきゃいけないのよ。

何も悪いことしてないじゃん。

鳴咽の声はやがて号泣へと変わっていく。

「ふぇ〜ん」

既に涙を拭くことも止めていた。

それでも私が思い描く姿は一人…


「晶」

息を切らせ走り寄る影、

「とっ、とおっ、やっ、さん」

しゃくり上げていて上手く言葉にならない。

私を見て直ぐに、
制服の前を強引に合わせ、
自分のブレザーを着せると、

「どっ、どうしっ…」

優しく抱き締められる。

「もういいから。ゴメン僕のせいで…」

透弥さんのシャツは汗ばみ、
私を一生懸命探してくれたことが分かった。

私は漸く気付いてしまった。

透弥さんが、好き。

なのに、

「もう僕に関わらない方がいい」

透弥さんの言葉に、何も言えなくなってしまった。


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