不器用なLOVER
転校初日から話せる相手もいないし…。
何より、ここの生徒と自分では世界が違う気がして、話し掛けることもできない

この学校はいわゆるブルジョアジーで、庶民の私が通うには場違い…。

父はこの学校の卒業生だけど…
次男ってこともあってか普通の会社員だ。


昼休みぐらい…。
静かに教室を抜け出す。

「…とはいえ、どこに行こう?」

まだ校内を把握してないし行く当てもない…。

ブツブツと一人呟きながらさ迷った。


にしても、広すぎる。
幼稚舎と大学まで入っているとはいえ、
校舎は別
にも関わらず広すぎる。

「どうしよ…」

適当な場所で食事を済ませたまでは良かった。
が、あとが悪い。
元々、地理に疎い。
さ迷いたどり着いたにすぎない場所。
…つまり、迷子ってやつです。


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