不器用なLOVER
私に合わせて屈んだ透弥さんの目が優しくて、

「どうして…いつも一人で生徒会の仕事残ってやってるのに。
これ以上仕事増えたら透弥さんの時間なくなっちゃうよ。
体壊してもしらないんだから…」

気持が溢れ出す。

掌で優しく頭を撫でられ、

「子供扱いしないでよ。
透弥さんが私に甘えてよ。
頼りないけど…何もしてあげられないけど」

その手を取り両手で握り締める。

それを更に透弥さんの空いた手が包み込んだ。

「晶は気付いてないみたいだけど僕は晶に甘えてるよ?
晶の気持も聞かずに、触れたり、抱き締めたり、キスをしたり」

そんなこと甘えてるうちに入らないじゃん。

首を横に振り続ける。

「いいからちゃんと聞いて」

静かだけど強い言葉に、黙ってしまう。

「晶が思ってる以上に、僕は晶に甘えてる。
それは間違い無い。
こんなに自分の気持を誰かに見せることなんてないから」

そのどれもが私を嬉しくさせることを透弥さんは気付いてないんだろうな。

透弥さんのこんなに正直な気持を私は独り占めしてる。

そしてそれはやっぱり私を甘やかしてるんだって。

教えてしまうのは少し勿体ない?

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