不器用なLOVER
eleventh intention
言っちゃった。
せっかく朋弥さんが黙っててくれたのに…自分で言っちゃうなんて

向き合う透弥さんの指が頬に遠慮がちに触れる。

「晶…ゴメン」

その言葉の意味は…。
終わりってことなの?
やっぱり駄目なの?

うつむいた私の髪に触れる手が、優しくて…余計に辛かった。

これが最後ならこんなことしないで欲しかった。

優しくされたら期待しちゃうよ。

「あ〜のさ、来週から期末試験じゃん?透弥は妖怪だから置いとくとして…晶ちゃんの方は大丈夫なの?」

場の雰囲気を考えない唐突の問に

「晶のことは朋弥には関係ない」

溜め息交じりに答える。

「でもさ、透弥ってバカは嫌いじゃん?」

透弥さんを見上げるけど、その腕に引き寄せられ捕われる。

「勉強の良し悪しは問題じゃない寧ろ朋弥のように人の気持ちを考えられないのが問題あると思うけど?」

「だからさ、晶ちゃんが今度の期末試験で1教科でも平均点いかなかったら、俺に頂戴」

透弥さんを無視して話を進める。

「冗談でしょ朋弥にだけは絶対渡さない」

透弥さんの腕に力が入る。

これって期待していいの?
まだ私を好きで居てくれるの?

「俺なら晶ちゃんを泣かせない。別の意味では鳴かせちゃうけど」

透弥さんの腕に更に力が加わり、私を胸に押し付ける。

「どういうつもり?朋弥が本気だとは思えないけど?僕に対する嫌がらせなら晶を巻き込まないで」


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