イナフ ー失われた物語ー 【小説】




気がつくと

どこかわからない処に

寝かされていた

全身の痛みに気を失いそうになった

そこが病院で

私は患者で

身元がわからず

何故海岸に倒れていたのかも

何もわからなかった

最も決定的な事由は

私に記憶が欠落していたことだった

ただ若い男であることを除いては

私が何者か誰も知らなかった

もちろん

私自身さえも







< 2 / 61 >

この作品をシェア

pagetop