ダーリンは王子様★
◇球技大会は命懸け!
季節は流れ、夏休みまであと少しと迫る7月のはじめ。


6限目のホームルーム。



「マジ暑いー…」


香奈ちゃんが下敷きでパタパタと扇いだ。



「うーがあー!アイス食べたいよー!クーラーもっと気合い入れろぉー!」


あたしは天井についたエアコンにプンスカ怒ってみせた。



「絶対エコ温度だな、コレ。」


前の席のわたぽんがうなだれながら言った。


「なにエコ温度って。」


「設定温度28度ってこと。」


「はー!28度とか言ってなめとんのかー!それじゃ暖房だろーがー!もはやつけてる意味なしー!」


「蒼井うるさい!」



教卓からタダっちの怒鳴り声が飛んできた。あぁ、そっか一応今授業中か。


授業って言ってもロングホームルームだから全然授業じゃないけど。


「タダっち~クーラーの温度下げてー。」


「はい、じゃああとはクラス委員で進めてくれ。」



シカト!?
あの人サラッとシカトしたよ!
くっそおぉ…


「えーっと…じゃあ来週行われる組対抗球技大会についてなんだけど…」



クラス委員の吉村くんがプリント片手に話し始めた。


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