君の声、僕の歌姫
「ああ、2人とも来たのか」


ラウトとキルシュの声で2人の存在に気付いたと同時に、

黒猫の親と思われる猫もやって来てハルトは黒猫と別れ、2人の元へと歩みよって行きました。


「ハルト! いるなら教えてくれても良かったでしょ!?」
「…………ごめん。猫に気を取られちゃって。でも心配しないで。
君以外の人を僕は好きになったりはしないから」


キルシュはハルトの言葉にまた感激を覚え、ハルトに抱きついていました。

もう見慣れた光景だったからなのか、ラウトはもう好き勝手やれば良いと投げやりな気分でした。


『お前もスティーとの交際が出来るようになったら、ああなると思うんだがな』


フェネルのそんな言葉にも、ラウトはたった一言“うるさい”と小さく呟きました。
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