君にキス。
しかし俺には特にそうは思えず、まあ普通に話したりする程度。
俺の髪を整え終えた前川は、自分の席に座りキレイな足を組む。
そして深如く、
「国崎くんてさー…、彼女とか要らないの?」
と。
何故みんなそれを聞くのか、俺には理解出来ない。
「…いらない、かな」
ぼんやりしながら口にすると、「なんで?」と首を傾けられる。
「なんでって言われても」
「寂しくない?」
面倒くさいなんて、多分寂しかろう女に言えるわけでもなく、俺は黙り込むしか出来なくなる。