☆秘書の秘密☆
シークレット1
「社長。佐倉です。」


社長室のドアをトントンと叩いた。

すると、中から声が。


「入れ。」


相変わらず無愛想。
まぁ、いいけど。


「失礼します。」


静かに中に入ると、書類を真剣に見つめている社長の姿があった。


「今日のスケジュールを確認させて頂きます。」


「あぁ。頼む。」


軽く溜め息をついた社長は、今日初めて私の顔を見た。


毎度のことだけど、朝からそんなに頑張って、よく体力もつな…。


そんなことを考えながら、手帳を開いてスラスラとスケジュールを読み上げる。



「30分後には、川崎建設で会議があるので、準備お願いします。」


「了解。」


社長は静かに返事をしたあと、また書類に目を向けた。

私は邪魔にならないように、さっさとそばを離れる。


私、川崎建設嫌なんだよなぁ~。
だって、あそこの社長、妙に馴れ馴れしいんだもん。


社長のコーヒーを入れながら溜め息をついた。
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