Animal Voice

正直

しばらくすると

ピーンポーン


誰かがうちへ来た。
2階の窓から玄関のほうを見る。

「あゆみじゃん!」

さっきのメール相手

飯田あゆみ (イイダ アユミ)

家が近くて、同級生で友達だけど
かなり気が強くて結構自意識過剰な性格。

悪口をきくと
すぐに自分だと思ってしまうような感じ。

だからさっきのメールも……ね。

うるさそうだから
出ないでおこうかなぁ


「英奈~、あゆみちゃんが来てる~」


居留守にしようかと思ったけど
姉に言われちゃ行くしかない。







ガチャン。


「何?」

「なんで返信してくれなかったのよ」

「だって返信しても信じないでしょ?」

「何それ。まず英奈がウチのこと信じてないんじゃん!」

「違うよ。そんななんじゃないよ。」

「正直に言って。なんで待ち合わせ場所にこなかったの?」


なんか大袈裟に感じた。
普通待ち合わせ場所に時間通りこれないだけで
こんなふうになる友達はなかなかいないと思う。

「なんだっていいじゃん……」

もう、どうでもよくなった。
自分の頭の中ではレモンのことで
頭がいっぱいだったからである。

「イヤだ。正直言わないと帰らない。」

「じゃあずっとそこにいれば?」

「うん。警察にきかれたら全部話すから。」

もうキレそうだったけど
上手く押さえ込んだ。

「じゃ。」

ドアを閉めて、ドアについてる穴から見てみた。



本当に家の前にずっといる気だ。
動こうとしない。

さすがにこれは気持ち悪い。
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