もしも。
もしも…もしも私が貴方なら、ひとりにこだわらず遊び歩くでしょうね。


「今日も、長いキスさせてよ」

…一夜限りの関係じゃなかったの?
遊びでしょ?

声にならない叫びをした私は考えることが面倒になって、ただ頷いた。

「…分かりました」

今日も、私は孤独の時間を埋めるんだ。
孤独の時間を甘い時間に。

ひとりが好きだった。でも、いつのまにか…ひとりになるのが怖くなった。

誰かに利用されてもいい。孤独を消し去ってほしいだけだから。

甘い言葉に騙されるほど女は甘くない。
甘いキスに流されるほど私は甘くない。
どんな言葉やキスよりも、私を感情的にさせるものはない。

もしも私が貴方なら、感情的にさせることが出来るだろうか。

甘い時間を寂しい時間に変えないように…

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