あの夏の日。



すごく星がきれいな夜だった。部室を出たわたしたちは、夜の道を肩を並べて歩いたんだ。


知らないひとから見たら、恋人同士に見えるのだろうか。

そんなことを考えたら、

『次のサークル来るの?』

なんて突然聞かれたものだから、

「もちろん!いっちーさんは?」

『花火大会に行くから休むよ。』

誰と行くんですか、
なんて聞けなくて代わりに、

「花火大会かぁ〜!行ったことないんですよ、わたし。どんな感じなんですか?」

って聞いた。

『結構おもしろいよ。友達とわいわい騒いで行くのも中々たのしい!』

その言葉に、声が出なかった。なんて返せばいいのか分からなかった。



だって…誰と行くかなんて、あまりに簡単に分かっちゃったから。いま歩いてるこの帰り道だって、彼女の伊織さんのアパートに続く道。



さっきまでずっと一緒にいたのはわたしなのに、
今からは伊織さんとの時間になるんだね。

わたしが何気なく過ごしてきた去年、一年間も、こうして毎日一緒に過ごしていたんだね。



顔をあげたら涙がこぼれそうで、だから黙って下を向いた。







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