【番外編】苺みるくの秘密


「お前なぁ……」

「だってさ、オレ雅弥と違ってしたことねぇんだもん」

「は?」


目線はテレビに向けたままコウは唇を尖らせて呟いた。

別にしなきゃいけねぇわけじゃねぇんだから、時が来たらでいいってオレは思うんだけど。



「だーから! その、あれだよ」

「セックス?」

「……んな、さらっと言うなよ」


いいじゃねぇか。

セックスって言ったくらいで女みてぇに照れんな。



「コウの場合、先に彼女作れよ」

「あ! 言っちゃいけないこと言ったな!」

「んな怒んなって」

「もういいよ!」


なに怒ってんだか。

コウのヤツはオレの言ったことに相当腹がたったらしい。



「雅弥なんてヤりたい時にヤれる女の子がいっぱいだもんな!」

「あのなあ、オレはもうそういう遊びやめたっていったろ?」


やめたのは、オレのベッドで寝息をたててる女が理由なんだけど。

 

< 17 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop