キミのとなり。
触れ合う唇

「え……」


いきなり投げられた言葉。


「ずっと、好きだった」

「ト……」


嘘……。


止まったはずの涙がまた、溢れ出す。


「ガキの頃から、ずっと」


目の前にいるはずのトモが、蜃気楼のようにゆらゆらして見える。


「で、も……だって……」

「何?」

「中学の時……無視するみたいに……」


トモは私と距離を置いた。


「あ、あぁ……」


それを聞いて、バツが悪そうに頭を掻く。


「思春期、つーか、わかれよ、そんなの」


わかんないよ。


急に離れたトモに、私がどれだけ寂しい思いしたと思ってるの?


言葉の代わりに涙がどんどん溢れてくる。


そんな私の頬に、そっと触れたトモの手。


その手を受け入れるように目を閉じると、涙の筋が出来た。


「お前は?」


そう聞かれたけど、喉が詰まってうまく声が出ない。


修ちゃんに気持ち伝えろって言われたばっかりなのに。


気持ち、ちゃんと伝えたいのに。


「お前も、って思うのは、俺の自惚れ?」


少しだけ不安げな表情で首を傾けた。


「……っ」
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