三日月の雫

「結崎さん!」



部屋に入ったとばかり思っていた、柚羽の声。

振り返った瞬間、柚羽が僕の胸に飛び込んできた。


――――?


「どうした?」



突然の、予想さえもしていなかった彼女の行動。

まだ酔いが回っているわけじゃない。

完全に冷めているはずだ。


無意識のうちに、僕は柚羽の頭を優しく撫でる。



「……結崎さんが、好きです」



突然の、告白。

頭が真っ白になる。


「オレもだよ」

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