ずっと好きだった

今にも零れ落ちてきそうな涙を押さえ込み、階段を駆け下りる。

同じ高校なんかに来るんじゃなかった…

辛い想いなんてしたくない。


「あれ?リオちゃん帰んの?」


昇降口まで来ると聞きなれた声にあたしの足は必然的に止まり、足元から徐々に視線を上げると、ニコっと微笑んだタクヤが居た。

唯一カケルと話す人…

そっぽを向くようにフイッと顔を背けるとタクヤのクスクス笑う声が聞こえ、


「もしかして、カケルと何かあった?」

「……」


そう言ってタクヤはあたしの顔を覗き込み、あたしはその視線から避ける。


「あれ?やっぱそうなんだ。じゃあ“リオちゃんが怒ってた”って伝えといてあげる。どーせまだ屋上にいんだろ?」


分かりきったように話を進ませ、足を進めて行くタクヤの腕をあたしはグイっと引っ張った。

その所為でタクヤは何歩か後ずさりして「ん?」と言って首を傾げる。


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