やさぐれ妊婦
家事は嫌いではないし、几帳面な私にとってそれは苦ではなかった。
共稼ぎでも、共稼ぎだからこそ、できる者ができる事をできるだけやる。
夫は家事全般がまったくできない人間だ。
大人二人で我が侭に暮らす分にはそれでいいと思っていた。
けれども――
子どもが生まれるとなれば話は別だ。
育児が始まれば今までのように夫の世話など焼いていられなくなるに違いない。
家事だって、私一人の力では完璧にこなしていくのは厳しいだろう。
夫にはせめて自分のことは自分でできるようになってもらわなければ。
家事だって多少はできるようになり協力してもらわなければ。
不安と焦りを感じた私は、妊娠中の今から夫への働きかけを始めたのだが……。