女優デビュー
私が憤慨していると、学さんは唇をとがらせた。

「えー、酔った千夏ちゃんを襲っちゃおうと思ったのになあ」


え?

な、な、な!

なんてこと!

学さん、なにさりげなくとんでもないこと言ってんの!

私は真っ赤になって、以前石田さんに言われたことを思い出した。


『庄司さんには、十分注意するように』


やっぱり、学さんって危険な人なんだ。

私は全身に警戒バリアを張りめぐらせた。

そんな私を見て、学さんはまたプッと吹き出した。

あれ?

なんで笑ってるの?

あ……

もしかして、私、からかわれた?

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