執事の名のもとに
第1章
現在
「ねぇ、中原。」
百合亜様に呼ばれて近寄る。
「なんでございましょう?」
俺がそう尋ねると百合亜様はふふふと含み笑いをした。
珍しい。
顔には出さないがいつもの百合亜様ではあんまりない行動だった。
何かあったのか。
「中原って、私のところに来る前執事学校にいたんでしょ?」
「さようでございます。」
「その時のこと聞かせてくれない?」
ニコッと笑って尋ねる百合亜様、絶対分かっててやってるな。
まあたいして楽しいわけじゃないけど、話してもいいか。
「では、お話いたします。」
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