執事の名のもとに
「じゃあ俺行くわ。」
そう言うと勝はすぐに後ろを向いて走って出ていった。
勝の足音がだんだん遠くなる。
その音が聞こえなくなった頃俺は敦に向き合った。
「敦らしくないんじゃないか?」
俺の言葉に一瞬目を見開いたが、すぐに戻って何も言わずにさびしそうに笑った。
その表情から敦の本心じゃないって分かった。
「俺はできれば勝を応援したい。」
「だったら…。」
「でも、」
俺の言いたいことが分かるのか敦は遮ってきた。