執事の名のもとに
「まぁ、確かに口喧嘩が絶えなかったからな。」
思い出しても海琉との会話は口喧嘩したことばかり。
「でめ、海琉言ってたんです。凄くいい人だって。」
愛琉ちゃんの言葉に下を向いていた視線を上げる。
海琉が俺を?
想いもよらない言葉に目をぱちくりさせる。
「あなたに、感謝してます。この前言ってたんです。」
きっと海琉は俺に面と向かって言うことはないだろう。
でも、無性に泣きたくなってきた…。