銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
美紗は背筋に寒気を感じ取った。

「あ、鎖葉斗、見えてきましたよ。

新羅神社が。」

キャルナスが指を指した方向には、
世にも珍しい、蒼いお社の神社が。

「じゃあ早速行きましょうよ!」

直行で神社に入ろうとするめちるの右手を、真帆が掴んで止めた。

「待って、百花斉放!」

真帆が愛刀の名を呼ぶと、百花斉放は枝分かれした刃から、改新の一撃を繰り出した。

「壱拾弐花 釈月」

真帆の掛け声により解刀された百花斉放は、
蒼い社に向かい金色の炎を身にまとい、一直線に飛んでいく。

だが、


バチッ


一瞬にしてその攻撃は塵となる。

「わかった、此処だキャルナス。」

釈月を塵とした境界線に立つ真帆。

「ほう、此処ですか。ふぅむ、中々の出来具合。

素晴らしい結界師ですね。

でも間口君の、“内部から破壊する弾”なら壊せるでしょうね。」

キャルナスが叩いた場所は空気の筈。

なのにコンコンと音が鳴る。

結界、常人には見えない透明な壁。

此れを張る事により魔法や攻撃を防ぐ事が出来る。

使い方次第では攻撃魔法にも出来る。
< 55 / 197 >

この作品をシェア

pagetop