黄龍
広間へ出て少し、玄姫は立ち止まった。
僅かに肩が震えている。
前を向いた玄姫の顔には獣さながらの獰猛な表情があった。
刃物のような鋭い眼光と、剥き出しの歯ぎしり。
肩は怒りによって震えていた。
その怒りを押し付けるように固く握った拳で力任せに近くの円柱を殴り付ける。
手を離すと円柱には拳のめり込んだ跡。破片が足元にこぼれた。
「『元』漂流者のくせに……!何も知らないくせに……!」
他へ押し付けてもなお、治まらない怒りを抱えて玄姫は乱暴に足音を立てて歩き出した。
「……腹いせに路地裏の人間でも嬲りに行こ」
そう呟くと玄姫は神殿の外へと向かった。
僅かに肩が震えている。
前を向いた玄姫の顔には獣さながらの獰猛な表情があった。
刃物のような鋭い眼光と、剥き出しの歯ぎしり。
肩は怒りによって震えていた。
その怒りを押し付けるように固く握った拳で力任せに近くの円柱を殴り付ける。
手を離すと円柱には拳のめり込んだ跡。破片が足元にこぼれた。
「『元』漂流者のくせに……!何も知らないくせに……!」
他へ押し付けてもなお、治まらない怒りを抱えて玄姫は乱暴に足音を立てて歩き出した。
「……腹いせに路地裏の人間でも嬲りに行こ」
そう呟くと玄姫は神殿の外へと向かった。