あたしのパーフェクト★BOY
「ばかばかばかっ!」


部屋に戻った結衣は自分の頭をポカポカと叩く。



――自己嫌悪だよ……すごく嫌で……玲央のキスが嫌なんじゃない、日本にいる時は気にしなかったのに、ここに来たら玲央が今まで付き合った女の子のことが気になった。前に付き合っていた子がいたって言ってたし……今日あったナンシーはあからさまに「あたしをデートに誘って?」みたいな目つきだった。



異性と付き合ったことのない結衣は、色恋沙汰には鈍感だった。



しかし、玲央と再会してからは自分がどんどん今まで知らなかった世界に引き込まれそうで怖かった。



――玲央はあたしの知らない世界を知っているんだもん……。



深いため息を吐きながら浴室にとぼとぼと歩いて行った。




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